2016年11月21日月曜日

11/3-5 家族で寸又峡

書く余裕がなくて、もう2週も経ってしまったけど、めげずに。

今年の文化の日休みは、飛び石連休を有休でつなげて恒例の国内旅行。紅葉を見たいというわけで、秋山郷に行きたかったのだけれども、「あったかいところがいい」というリクエストが嫁から出て、急きょ変更。静岡近辺ならあったかくていいよね、というわけで、静岡から寸又峡温泉へ。最終的には山深くて寒くて全員軽く風邪ひきました。まったく意味がない…。

寸又峡温泉で一泊して、翌日「夢の吊り橋」へ。寸又峡から往復90分の行程で、夢の吊り橋から展望台をぐるっと回って帰ります。エメラルドグリーンの湖という売り文句で、最近では「世界の吊り橋」にランクインしているそうで、とても人気があるらしい。朝早くいったのだけれども混み込み。とはいえ、この時期で、かつ暖かい今年の紅葉は、まだほとんど始まってなかった。これを書いている今頃は、綺麗になっているのかな。どうかしら。



寸又峡のあたりにいくのも今回で4回目。なんとなく最近は個人的に思い入れのある土地を家族旅行にセレクトしがちです。

初回は学生の時ののんびりツーリングから始まって、2回目は、地味な林道MTBツーリング。3回目は、崩壊しそうな某林道。もう今は通行禁止になっているらしい。もう10年くらい前だけど当時でも十分危なかった。もう一生こんな光景にはお目にかかれないでしょう。


ちなみに今回、当時の写真を見直していたら、対岸から撮った夢の吊り橋の写真が出てきた。手前から、大間ダム・夢の吊り橋・飛龍橋とすべてが見える。対岸から見てもきれいだと思って撮ったのかな。もう思い出せない。


今回は、寸又峡のすべすべお風呂の宿から、大井川を下って、牧之原の茶畑に出る旅にしてみた。いつも感じるのは、温暖な気候のせいか、静岡はどことなくのほほんとした雰囲気が漂っていて、そんな「のほほん」にいつもやられてしまうのでした。写真は、お茶工場見学ができるグリンピア牧之原のそばにある茶畑。もう静岡でのんびり10連泊ぐらいしたい。自分も随分丸くなった。

2016年10月20日木曜日

竹岡林道MTB

嫁がハロウィンパーティーに行くとかで日曜の時間をもらったので、久しぶりにMTB担いで内房線の浜金谷駅へ。MTBはもう4年ぶりぐらい。前日から地形図見ながら、山の中をぐるりと回るとか色々計画を練っていたのに、信じられない廃道に遭遇して時間を消耗してしまい、がっかりして家に帰ってきた。改めてネットで調べたら、行ったところはどうやら「房総随一の廃林道」とか言われていてそれなりに有名なようで、せっかくなのでレポートしてみます。

その林道は、浜金谷駅のすぐ近くから分岐する金谷元名林道を2kmぐらい行ったところで、北向きに分岐する竹岡林道。分岐からかなりの下り。出だしから廃道具合が半端ない。完全に河道が林道をえぐってしまっていて、林道の原型を失いつつある。地元の(エンジン付きの)バイクがかなり攻めているようで、轍も多い。どうやってクリアしたのか謎な所も多い。


廃道化したダートを下りきると、なんと林道が水没している。下流に向かって写真を撮ったところ。左側が道、右側が川なのだけれども、どうやら川の先が土砂崩れで埋まったようで、川の水があふれてしまい、もう湖のようになっている。写真の正面が本来「道」です。


とはいえ、慌てず「左岸」の斜面を高巻く作戦に出るが、ヤブがうるさすぎてどうにも難しい。踏み跡もそれなりにあるが、すべて退却したらしい。早々に退却して「左岸」をあきらめ、幸いにして "湖" の手前が土砂で埋まっているので、埋まった土砂を渡り「右岸」に出る作戦に変更。写真の右側にある斜面をMTB担ぎながら前進。


何とか担ぎで前進したところ。この辺りから斜面が終わっていて、後は川の上の倒木を踏みながら、本来のルートである「左岸」に乗り換える。


倒木もかなり時間が経っているらしく、大部分が腐っていて、踏むと折れるものが多い。これはエンジンのついた乗り物では無理でしょう。MTBで担ぎ慣れた人でようやくクリア可能な感じ。

「左岸」に移った後に、上流側を振り返ったところ。もう立派な湖ですね。湖の右側には、湖底に本来道があります。木漏れ日が反射してキラキラしていた。


倒木が集中したポイントから右岸を見る。この辺りが土砂崩れで崩れたのかな。もう元の山がどうなっていたのかよくわからない。倒木のあるあたりは、倒木をのこぎりで処理したり、テープで道標を作った後などが多数ある。地元のバイカーの熱意によるものか。すさまじい。


というわけで、湖と倒木とをクリアしたところ。高々500m程度の「湖」を乗り越えるだけで1時間半くらいかかった。


新しい土砂崩れと思われる個所や、危険な個所も多いので、近づかないほうがいいでしょう。踏み跡やテープなどは、正解トレースでないものも多数あり、安易に踏み入るのはかなり危険。

着替えも持たないで輪行してきたので、ドロドロの服で京葉線に乗って帰りました。いい年してなにやってるんだか。。

2016年10月10日月曜日

ベビーキャリアで池の平湿原(10/9)

せっかくの連休。どうしても家族で山登りをしたいので、ベビーキャリアをレンタルして山に登ってきました。といってもハイキング程度の山だけど。

本当は尾瀬に行こうとして、群馬にある嫁の実家を拠点に、鳩待峠からの尾瀬ヶ原往復プランを練っていたのだけれども、あまりに天気が悪そうなので(今年の連休は本当に天気が悪い..) 降水予測とにらめっこしつつ浅間方面に切り替える。日曜の1日だけという予定で、かつ午後だけしか晴れない予報なので、登山道が長い所に行ってしまうと日が暮れてしまうので、気軽に行ける池の平湿原に変更。地蔵峠経由で車を使えば2000mあたりまで車でいけて、1時間ちょいもあれば散策できるので、登山というよりはちょっとしたピクニックで、ベビーキャリアの練習にはもってこいです。

とはいえ駐車場付近は非常に寒かった。9度くらい。今回借りたベビーキャリアは、ドイターのキッドコンフォート。寒いので全身すっぽり包める防寒着用でキャリアに乗せる。1歳5ヶ月になりました。


天気の悪かった午前中が嘘のようにガスも取れていい感じ。見晴岳への尾根から池の平湿原を望む。


見晴岳からは、小諸方面の街並みがきれいに見えました。さすがに八ヶ岳は雲がかかってて見えないか..はじめてにしてこれだけの景色が見えれば上等です。寒いけどね。


日ごろ抱っこひもを多用するお父さん向けに、今回使った「キッドコンフォート」の印象を説明すると、抱っこひもの場合、子供と密着してしまうので、子供と接する部分が暑くなってしまい、汗で蒸れてしまうけれども、ベビーキャリアの場合(当然だけれども)子供と距離が取れるので、この点、親も子も楽。

子供が動いて安定しない、というレビューもあるけど、うちの子の場合、割と安定して、妙な安心感がある。子供も後ろから眺望が効いて、終始楽しそうな感じだった。これは本当によくできたザックです。

この辺りは、子供との相性もあると思うので、一回レンタルで試してみるのはおそらく必須なんだろうな、というのは我が家の印象。子供が慣れてくれて、40~50L程度のザックを担いだことのあるお父さんなら十分楽しめそうな感じ。

とはいえ、子供以外の荷物は、アタックザック程度にしか入らないので、あまり長い行程の登山には向かなそう。まあ、良くてハイキング程度かしら。あとは嫁の肩に期待とか。

あとこれは、キャリアとあまり関係ないけれど、子供は基本、自分で歩きたい気持ちが強いので、子供と一緒に高い山に行こうとするより、子供が行った先でのびのび遊べるような広いスペースのあるような山に連れて行ってあげた方が楽しいのかなと素直に思った。そういう場所に連れて行ってあげるキャリアとして使った方が子供もうれしいのかなと。

池の平湿原。尾瀬よりも(たぶん)ずっと静かで、いい雰囲気でした。また来年も来たいな。

2016年10月4日火曜日

九十九里トライアスロン(2016/9/24)


子供も1歳になったので、若干時間に余裕も出てきて、練習時間も以前よりは取れるようになってきたので、今期2戦目として選択した九十九里トライアスロン。「勾配も少なくて都心にも近く、初心者向きの大会」と喧伝されているのだけれども、果たしてどうか。

男35-39歳のウェーブで11:50出発。直前の台風の影響で河道が変わったようで、川を遡るスイムコースは、河口部分の2周回に変更。バイクは、九十九里道路の高架部分を3周回。そしてランコースは海岸沿いに走る9.5km。

スイムは噂通りのバトルだが、適温で泳ぎやすく快適。500m近くアスファルトを素足で走るトランジットには難があるが、バイク・ランともにコース自体は非常にフラットで走りやすい。残念ながらバイクで土砂降りとなったけど、特にストレスなく走れるのは良いかもしれない。長距離トランジットに悪評は多いけど、まあどの大会も多かれ少なかれトランジットの移動距離はあるので自分としてはそこまで気にならない。

どうやらバイクは40kmに満たなかったようだけど、練習が足りなかったようでその恩恵には預かれず、51.5kmの大会としても平凡な結果.. ランの2km地点で足が攣って2分程度ストップしたのだけれども、そこからリカバリした割にはよく走れたかしら。相変わらずのラン偏重。
Swim 0:36:14
Bike 1:17:26
Run  0:46:11 (9.5km)
===================================
All  2:39:51 (男子総合458位/1272人中)
一般的な大会の評価は他の方がたくさん書かれていると思うので、ここでは、応援したい家族を連れてくるという観点で感想を。

どこで応援すればいいのか、事前に口コミを調べても全く情報がなくて大いに困ったけど、応援の人はスイムスタートの会場まで来れる(公式ページに書いておいてもいいのにね)。ただしバイクは全く見えないので、応援の人はスイムアップを見たらゴール会場まで移動して、ラン途中を見てゴールを見る程度になってしまう(今回はスイムアップで土砂降りとなったので、家族はそこで別の場所に避難してしまったけど)

本当は、個人的にはマラソンとか、トレランとかにも出たいのですが、「スタートとゴールしか見れないので暇」と家族からコメントもらっていて、トライアスロンの場合、トランジットのタイミングで応援したり、バイク・ランの周回のタイミングで応援できるのを期待しているところがあるけれど、この大会ではそれが全くできず。また選手説明会会場も遠い場所にあり、選手と同じ車で来た家族は待ちぼうけを食らうのでかなり退屈。幸いにして我が家は別の家族と後で応援だけ来たので大丈夫だったけど、駐車場のキャパなども含め、残念ながら応援には適さない大会。

我が家の場合は、大会の参加が家族旅行を兼ねているので、同じような目的の人にはおすすめできませんが、都心近郊のチームの人達が大いに盛り上がっていたので、そういう人たち向けなのかなと思いました。

2016年9月21日水曜日

ベトナム・ダナン(2016夏)

ようやく時間がとれたので... 夏休みの思い出を書き留めておきます。
今年の8月は1歳の娘を連れて家族でベトナムにあるビーチリゾート、ダナンに行ってきました。
  • 【8/3】東京→ホーチミン→ダナン
  • 【8/4】ホイアン観光→ダナン連泊
  • 【8/5】ダナン→ホーチミン
  • 【8/6】ホーチミンバスツアー
  • 【8/7】ホーチミン→東京
夏休みといえば、独身時代にはMTBにサイドバックつけて海外走ったり、バックパックで旅行に出たりしていたわけですが、嫁も子供もいるとさすがにそういうわけにもいかず.. 嫁には「海外のビーチに行きたい!」などとせっつかれていて、さすがに一人旅の勢いで目的地を設定するわけにもいかず、正直毎回「困ったな..」な感じ。グアム・サイパンなどは夫である自分の選択肢からは自動的に除外されていて、今年はちょっとワイルド感を出したつもりで「ベトナムに行こう!」と宣言してみたのですが、ダナンはびっくりするぐらいの観光地でした。

ベトナムの海というとハロン湾のイメージが強いけど、ダナンは完全なビーチリゾート。海沿いに店も多いし、基本食べるところにも困らない。結論から言うとこれほど旅行しやすい所もないでしょう。ここだけ来て帰るのであればただのビーチリゾート旅行になってしまうので、今回ホイアン観光と、トランジットで寄ったホーチミン観光を入れたけれど、それぐらいがちょうどバランスが取れていいのかなと個人的には思う。

ミーケービーチはかなりの遠浅。TripAdviserあたりのレビューだと「そんなにきれいではない」というコメントもあるけど十分きれい! この辺りはお天気にもよるのでしょうけど。幸いにして快晴でした。昼間は暑すぎて(熱すぎて)誰もいない。たいてい来るのは西洋系の人か日本人。地元の人は夕方過ぎからくるらしい。


きれいなビーチ沿いに、雑然とした食堂が並んでいるあたりがやはりベトナム。とはいえかなり整備されていて、意外に普通のリゾートっぽくなってて、ワイルド旅行を変に期待していたら、これは完全に肩透かし。今回は海から高々200mくらいのホテルを確保したので、水着を着て歩いてそのまま海に行って泳いで、そのままホテルに戻って部屋のシャワーを浴びるとかもできました。

うちの娘、今年のGWに西表島で海デビューを果たしてますが、こんな広い砂浜で泳ぐのは初めて。さすがにちょっと慣れないよなと思ってみていると、信じられない勢いで海に入っていく.. これには親も舌を巻いた。これは早くベビースイムデビューが必要だなと痛感した。


ところで、ダナンは開発スピードが著しいところで、ミーケービーチ沿いはホテルの建設ラッシュ中。至るところ工事予定区画の柵で囲われていて、これからどんどんホテルが建つのかなという感じ。これからの変化がかなり急になると思われるので、行くのであれば今のうちにしておいた方がいいかもしれない。


また「これほど旅行しやすい所はない」とはいっても、1歳の子供を旅行に連れていくにはやはりベトナムは色々と不便な土地であるというのは否定のできないところ。アプローチの航空便としては、直行便が高額なので、ホーチミンでの経由便を選択。このホーチミンの乗り換えが実にわかりづらくて、国際線ターミナルから国内線ターミナルまで500m近く歩いたり、手続きもわかりづらくて大変。小さい子供がいるとこの辺りはかなりくたびれる。

加えて、日本のトイレであるような「おむつ替えスペース」は、ベトナムでは皆無なので、街中でのおむつ替えが難しい(今回は嫁に一任した)。これはどの海外でもそうかもしれないが、海外でもハワイ・グアムあたりと比較すると不便らしい(グアムあたりは相当充実しているらしいと後で聞いた)。

逆に意外だったのが紙おむつ。実はザックに入らなかったので、飛行機移動では手荷物で持ち込んだのですが、乗り換え便で機内に忘れてしまい、ホテルで気づいて「しまった!」となった。大慌てでホテルおすすめの巨大スーパー「ロッテマート」で探したところ、ちゃんと紙おむつコーナーが用意されていて、パンパース・グーンなど日本の商品がどっさりなわけでした(おしりふきもある!)。さすがに離乳食あたりは持っていくにしても、水・おむつあたりは現地購入で十分でした。これは正直とても助かった。


まあベトナムというと、まだまだ不便な所と、意外に便利なところと、色々あることは覚悟が必要でしょう。やはり日本はいろいろ便利という点は強く実感することでした。但し圧倒的に物価が(相対的に)安いので、ダブルベッドが二つあるような特大の部屋を割と気軽に選択できるといういい面はなかなか捨てがたい。booking.comあたりで探せばいい宿がどっさり出てくる。


夫の選択肢でこういうところに来ると、子供のケアで嫁には負荷がかかるので、こういう点に家族の理解があるのであれば、物価も安いし、海もきれいだし、料理のおいしいベトナムで夏休みを過ごすのも、ありな選択肢かな、と思った夏でした。

2016年8月7日日曜日

榛名湖トライアスロン2016(7/31)

群馬県の榛名湖で行われる51.5kmのトライアスロン。普段、榛名湖は遊泳禁止なのですが、この大会のスイムの際にだけ特別に遊泳可となる大会です。毎年7月の最終日曜日に行われるのが恒例になりました。麓は猛暑の季節ですが、1000mある場所での大会は地上よりも5~6度低くて結構快適。

大会前日の榛名湖

スイムは腰~胸あたりまでの水面のところからのスタート。湖というと海のスイムに慣れた人には抵抗があるかもしれないが、ここ最近は毎年適温。透明というわけではなく、さすがに若干濁っているが、2m程度はちゃんと視界がある。特に臭いということはない。難を挙げると、スタート付近で藻が多い、スイムアップで小石が多くて痛い、という程度。波もなく、塩辛くもなく、楽しく泳げる。

但しバイク(8km×5周回)で1km弱の距離の激坂登りがあり、またラン(5km×2)でも300-400m程度の距離のかなりしんどい坂がある。ヒルクライムやトレランの大会などが好きな人はうまくはまると思うが、人によって好き嫌いがはっきり分かれるかもしれない。また坂があるために他の平地の51.5kmよりどうしてもタイムが遅め(+20~30分程度)になるので、タイムを狙うという雰囲気にもなりにくい。都心近郊で条件がいい割には少なめの人数でうまく維持されているのも、このあたりの要因が少なからずあるのかもしれない。

バイクコース。中央右が自分。

自分は第1回から連続参戦。嫁の実家が大会会場に近かったというのがきっかけ。前日受付で前泊必須なのですが、宿の手配もいらず好都合なのでした。第1回は新婚旅行の翌々週、前回大会は生後1ヶ月の娘を連れて参戦など、人生の節目を刻んできた感があります。とはいえこの4年は練習時間もほとんど取れなくて、トライアスロンはもうこの大会一本になってますが。義父からは「もうやめられなくなってきたね」と言われたりしたけど、そんな嫁の実家の応援ももらえて、帰省も兼ねたいい夏休みの恒例行事になってきた。

1歳の子がいる父として練習時間は大きな課題。平日はほとんど取れず、休日に何とかまとめて練習するのがやっと。バイクは隔週で乗れるか乗れないかという感じ。仕事と日々の生活をやりきるのがやっとな感じの中で、この辺りは、みんなどうやって時間を確保しているのかな。世の父親達に聞いてみたいところ。

とはいえ、ほとんど練習ができなかった前回よりも今回は割と体も動いて、とても楽しくゴールできた。娘もようやくよちよちで歩けるようになってきたので、ゴールで待ち合わせてなんとか家族三人で歩いて同伴ゴール。

【リザルト】
Swim 0:40:01
Bike 1:32:36
Run 0:56:49
All 3:09:26  (165位/完走375人中)

楽しかった! と言うわりにはちょっと.. なタイムだけど、まあ、少しずつ戻していく予定。

今回大会から、ビギナーの部、ジュニアの部などが新設されたようで、昨年よりは賑やかな雰囲気でした(ジュニアのトップ選手の快走には圧巻) 但し、以前からやや危険な雰囲気のあった激坂登りの後の長い下りを下りきった場所で今回事故があったようで、これと関連してか救急車やヘリコプターが登場していました。毎年運営が改善していって関係者の方々の努力が忍ばれるのですが、参加者が今後増えていく傾向にある中で、会場の狭さや危険個所の解消が今後の課題かもしれない。事故のために運営が萎縮することなく、今後も楽しく参加できるようにしてほしいと願ってますが、どうなるか。

大会Webページ: http://harutra.jp/

2016年7月24日日曜日

【書評】シベリア最深紀行

確か今年の冬に朝日の書評に掲載されていた本。インド最奥とか中国最奥とかは、それなりに情報もあるけど、「シベリア」というと、少なくとも日本語ではなかなか情報もなくて、それだけで自分は勝手に書評から神秘感を抱いてしまい、ずっとAmazonのウィッシュリストに入っていたところ、たまたま近所の図書館にあったのを見つけて、一気に読んでしまった。

「シベリア」といっても、ひたすら凍土の原野という漠然としたイメージしか自分にはない土地の、さらに「最深」の紀行。さらにこのインパクトのある表紙。中身は表紙の雰囲気よりもとてもディープで、「シベリア=凍土の原野」という浅い知識はあっさり裏切らました。

内容は、ウラル山脈の東からバイカル湖のあたりまで、文化も風景も幅広いスペクトルがある土地を、著者がスポット的に探訪した紀行の詰め合わせ。著者の別文化に入り込む技術は、どうやら相当なものと見えて、「外界と交流を断った村」の家だとか、凍土の遊牧民のテントとかに、数日とどまって実地でインタビューしたうえで、プーチンの政治から、ソ連崩壊以降の宗教伝播状況にいたる考察まであって、この身のこなしは政治系の著書のある「筑波大の教授」というお堅い雰囲気からはとても想像がつかない。どの写真も被写体の笑顔があって、学者が単なるフィールドワークで入り込んだというより、どうみても「旅として大いに楽しんでますよね?」感が大いに伝わってきて、とてもいい感じ。

ハイライトは4~5章にまたがるトゥヴァー探訪記。「ホーミー」で有名なトゥヴァーのリアルな姿を浮き出しそうと縦横無尽に奮闘する姿には恐れ入る。チベット仏教・土着信仰・ロシア正教・カトリックなどごちゃごちゃな中に、相互の宗教が入り混じって信仰されるあたりが、非常に面白い。シャーマンからの"呪い"でカメラが動かなくなる!などのやり取りは、笑える。うん、絶対楽しんでやってるよね、これ。

ひたすら単調ともとらえがちな雄大な景色の中で淡々と日々を送るシベリアの人たち。物質的に恵まれたも都市の人たちとの生活感の対比を強く感じる紀行から著者はまとめとして次の主張を展開する。

もはやここにいたっては「ロシアのなかのシベリア」という捉え方には限界があることが露呈し、これに替わって「シベリアのなかのロシア」というべき逆転の構図が浮き彫りになってきはしないだろうか(p.196)

やや極端な主張にも見えるが、ウクライナの対立など、ロシアの強権的な姿勢が目立つ最近の情勢の中にあって、厳しい自然に耐え、多様な言語・民族を受け入れるシベリアの懐の深さは、いままさに見直されるべき時期に来ているのかもしれない。最近のヨーロッパ事情に疲れた方に是非ご一読をお勧めしたい。